胃内視鏡検査でわかる代表的な疾患
逆流性食道炎
強い酸性の胃液(胃酸)が胃の内容物とともに食道に逆流することにより、食道が傷つき、炎症を起こすことで発症し、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じます。もともと日本人には少ない病気といわれていましたが、近年、日本でも増加傾向にある疾患です。
バレット食道
バレット食道は、胃酸や胆汁といった消化液が長期間食道に逆流することで、食道の粘膜が正常な扁平上皮から円柱上皮へと変化してしまう病気です。このような粘膜の変化は、逆流性食道炎の進行によって引き起こされることが多く、特に自覚症状がない場合でも進行している可能性があるため、注意が必要です。
バレット食道はがんの「前がん病変」としても知られており、放置すると食道腺がんを発症するリスクが高まることが分かっています。そのため、早期に診断を受け、適切な経過観察や必要に応じた治療を行うことが、がんの予防や健康管理において非常に重要です。
食道がん
食道がんは、食道の内側にある粘膜の細胞ががん化することで発生する悪性腫瘍です。早期にはほとんど症状が現れないため、発見が遅れることが多く、進行してから見つかるケースも少なくありません。
一方で、近年では定期的な内視鏡検査の普及や人々の健康意識の向上により、早期発見・早期治療のチャンスも広がってきています。
慢性胃炎(萎縮性胃炎)
慢性胃炎とは、胃の内側を覆っている粘膜に長期間にわたって炎症が持続する状態を指します。炎症が慢性的に続くことで、胃の粘膜が徐々に薄くなり、萎縮していく「萎縮性胃炎」へと進展することが多くあります。
このような状態では、胃酸や消化酵素を分泌する機能も低下し、食べ物の消化に影響を及ぼすだけでなく、胃がんのリスクも高まることが知られています。以前は、慢性胃炎は加齢によるものと考えられていましたが、現在ではピロリ菌感染など明確な原因が特定されており、適切な対処が求められる疾患となっています。
胃ポリープ
胃ポリープとは、胃の粘膜にできる隆起性病変のことを指します。「ポリープ」と聞くと、大腸のポリープを想像される方が多いと思いますが、胃にも同じようにポリープができることがあります。
胃ポリープは、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を受けた際に偶然見つかることが多く、通常は良性で症状もほとんどありません。ただし、種類によってはがん化する可能性を持つポリープも存在するため、正しい理解と定期的な経過観察が必要です。
胃・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、消化のために分泌される胃酸やペプシンといった消化酵素が、胃や十二指腸の粘膜を深く傷つけることで起こる病気です。
胃潰瘍は胃の粘膜がえぐられた状態、十二指腸潰瘍は胃の出口に続く小腸の最初の部分である十二指腸の粘膜がただれた状態です。いずれも重症化すると出血や穿孔(穴が開くこと)を起こすこともあり、早期の発見と適切な治療が重要です。ピロリ菌感染があると潰瘍を起こしやすいため、除菌治療も発症予防に有効です。
胃がん
胃がんとは、胃の内側にある粘膜の細胞ががん化し、無秩序に増殖することで発生する悪性腫瘍です。がんは成長とともに胃の壁の外層へと浸潤し、周囲の臓器やリンパ節へと転移するリスクが高まります。特に日本では、欧米諸国に比べて胃がんの発症率が高く、依然として重大な健康問題のひとつとされています。
胃がんは早期であれば治癒が期待できる疾患です。しかし、初期には症状が出にくいため、発見が遅れるケースも少なくありません。定期的な胃カメラ(内視鏡検査)による早期発見がとても重要です。